どうしてエンジンがかからないのだろう?
(チェーンソー、刈払機、ハンドカッター、エンジンカッター、コンクリートカッター
エンジン発電機、エンジン溶接機、ランマー、振動プレート、)
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「エンジンがかからない!!」
普段自動車でしかエンジンと接することのない人にはピンとこない言葉でしょう(特に国
産車ならば)ところがこと上にあげたようなエンジン機械、エンジン工具をつかう人にとっ
ては頭の痛い問題なのです。このコーナーでは数々のエンジン機械や工具を修理メン
テナンスしてきた経験をもとにその原因と応急処置、メンテナンスの方法を紹介します。 |
燃料の吸い込み過ぎ
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チョークをつかって始動させるエンジンで多いのがこのパターンです。チョークは始動時に爆発がし易くなるようシリンダー内に通常より多くの燃料を送り込む仕組みです。ところがこの状態ですぐにエンジンがかからなかったときに何度も何度もスターターを引っ張り続けてしまうとシリンダー内の燃料の割合が濃くなりすぎて絶対に点火できない状態になってしまいます。こうなってしまったときはプラグをはずしてシリンダー内を外気にふれさせ燃料を逃がしてあげるとかかるようになります。チョークの状態で燃料が吸い込み過ぎならないのはスターターを3回ぐらい引っ張る程度だと思ってください。それ以上チョークにした状態で引っ張り続けると余計にエンジンがかからなくなります。チョークにして2〜3回スターターを引いてもエンジンがかからなかったときはもう一度チョークをもどしてから再度なんどかスターターを引いてみてください。とくに冬場など気温が低くエンジンがかかりにくいときはチョークに気をつけてください。 |
燃料は劣化する
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使う機会の少ないものに良くあるケースなのですが、1年前の燃料がそのままタンクに入っていることがあります。ガソリンにしても軽油にしてももちろん灯油でも燃料は年月が経てば経つほど変質してしまいます。鮮度がとても重要なのです。よく石油ストーブやファンヒーターを修理にもってこられるかたがいますが、昨シーズンの灯油がいれたままになって変色した灯油が出てくることがよくあります。本来灯油は無色透明で見た目だけでは水と区別がつきません。もし色がついてしまっていたらそれは変質してしまった灯油だとおもってください。ガソリンの場合はもともと多少色がついていますので変質したガソリンは見た目ではなくにおいで判断します。一度かぐと忘れない独特なにおいになってます。この古い燃料はもちろんエンジンを快調に動かす妨げとなってしまうので、新しい燃料にかえてください。またそのことに気が付いてタンクの燃料を新しくしてもキャブやホース等に古い燃料が残ってしまうと実際にエンジン始動時に使われるのはその古いものになってしまうので一度全部掃除が必要かもしれません。 |
オイルも劣化する
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ここで言うオイルはガソリンとオイルを混ぜて使う2サイクルの混合燃料のケースです。長い間放置してしまうエンジン機械で一番やっかいなのが2サイクルの混合燃料をつかうものです。タンクにはいっている混合燃料が劣化してしまうだけならまだ良いのですが、混合燃料のオイルはしばらくの期間そのままにされると粘りけが強くなって、燃料ホースやキャブレターの穴をつまらせてしまうのです。これではどうがんばっても、あわてて燃料を新しいものに交換しても絶対にエンジンはかかりません。キャブレターをオーバーホールしてキレイにしてなんとか燃料が行き渡るようにしなければなりません、しかしそれでもどうしてもキャブレターを交換なければならないことも多いです。キャブレターは部品としてもそこそこ値段のするものなのでちょっとした不注意で燃料を放置しただけでもったいない出費になってしまいます。刈払機やエンジンチェーンソーなどシーズンのあとしばらく使わないときは必ず残った燃料をぬいてさらにタンク以外に残った燃料を燃やしつくすために燃料切れになるまでエンジンをかけておいてくだい。 |
フィルターの掃除
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空気を取り入れるためのフィルターがゴミなどで詰まってしまうと必要な空気が入らずやはりエンジンがかからなくなってしまったり、使っている途中でエンジンの回転数が上がらなくなってしまったりします。エアフィルターはその工具でさまざまですがスポンジなどを使っている場合はガソリンで洗うなどしてきれいにしてください。 |
プラグの掃除または交換
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燃料も問題なくフィルターもきれいなのにエンジンがどうしてもかからなかったときプラグをはずして掃除してみてください、火花がでる部分にカスなどが付いていると火花が出ません。シリンダーの部分からプラグまわしでプラグをはずして根元はつけたまま火花の出る部分を金属に近づけてスターターをひっぱて見てください。そのときカチカチと火花が出れば大丈夫です。火花が全然でなかったり、弱かったときはプラグを交換してみてください。理由はよくわかりませんが長い間のご使用でプラグがダメになるケースも結構あるのでお客様がどうしてもエンジンがかからないといってプラグをプラグを交換しただけで絶好調に復活することが良くあります^^ |
シリンダーの焼けつき
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2サイクルのエンジンに誤ってガソリンを入れてしまい、エンジンが完全に焼きついてしまったらエンジンの交換をしなければ治りません。これが修理で最もコストがかかる状況です。スターターやスターターのロープが正常なのにスターターがまったく引っ張ることができないとその状態の可能性が高いです。またプラグをあけてシリンダー内を見てみてスジが付いているようなときも焼けている可能性が高いです。工具やさんなどでみてもらい修理みつもりをしてその機械の年数などから修理をするかどうかの判断をされたほうが良いと思います。ちょっとしたうっかりでせっかくの機械をダメにしないよう気をつけてください。 |